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【2023年更新】近年のDM業界の市場動向・トレンドをデータから解説|フュージョン株式会社

作成者: Admin|Sep 4, 2023 4:15:00 AM

ここ10年ほどで日本の各広告費の割合は大きく変化しています。インターネット広告費がマス四媒体の広告費を超えて伸び続けているのに対し、DM広告費は2013年から2018年までは横ばいです。

また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により2020年には日本の総広告費が大幅に下落しましたが、2021年には社会活動が徐々に再開されたことで回復の兆しを見せています。
本記事では、近年のDM業界の市場動向やトレンドについて、データを元に詳しく解説します。

「2022年 日本の広告費」から見る過去5年間のDM広告費の変化
「2021年 日本の広告費」から見る過去10年間のDM広告費の推移
「DMメディア実態調査」から読み解くコロナ禍前後でのDM市場の動向
「DMメディア実態調査」から考察するコロナ禍前後でのDMの受け取り方の変化
近年のDM市場の動向・トレンド解説についてまとめ


「2022年 日本の広告費」から見る過去5年間のDM広告費の変化

2022年の総広告費は7兆1,021億円と前年比で104.4%の伸びとなり、過去最高のリーマンショック直前の2007年の総広告費7兆191億円を上回りました。
これは、上期・下期共に社会・経済活動の緩やかな回復傾向、国際的イベントの開催などが影響していると考えられます。また、過去最高の総広告費は、インターネット広告費の成長が広告市場自体の成長を促していることも理由とされています。

2022年のDM広告費は3,381億円、回復基調であった2021年と比較すると前年比で98.1%となりました。DM広告費は、過去5年間、コロナ禍の影響を大きく受けた2020年を除いてわずかながら減少が続いています。

引用:「2022年 日本の広告費」から読み解くダイレクトメールの変化とは?|フュージョン株式会社

しかし、企画・制作関連費用やデータ処理運用費などのDM広告制作関連市場は、2018年以降微減続きだったものの、2022年は1,103億円で前年比103.0%と増加しています。

DM広告費としては微減していますが、DM広告制作関連市場を含めて見るとDM業界は環境の変化に強く有望なメディアと言えるでしょう。

さらに詳しいDM広告費の推移と分析については下記をご覧ください。
「2022年 日本の広告費」から読み解くダイレクトメールの変化とは?

「2021年 日本の広告費」から見る過去10年間のDM広告費の推移

過去10年間の日本の広告費を電通「日本の広告費」をもとに見ていくと、2018年まではプロモーションメディア広告費、DM広告費共に前年と比べて100%前後で推移しています。2019年は、東京オリンピック開催に向けてプロモーションメディア広告費が前年度より大きく増加しました。


引用:「日本の広告費」から見るダイレクトメール(DM)費用推移と、正確に理解するための注意点を解説|フュージョン株式会社

2020年は、新型コロナ感染症拡大によりプロモーションメディア広告費、DM広告費含む総広告費が大幅に減少、2021年には回復の兆しを見せています。
ここで注目したいのが、DM広告費の回復率です。プロモーションメディア広告費は2021年の段階では、回復してはいるものの100%を割り込んだままです。DM広告費の場合、2021年は100%を大きく上回っておりコロナ禍以前よりも伸びているのが分かります。

コロナ禍以前は、プロモーションメディア広告費の急成長に多くの注目が集まりましたが、DM広告は直接顧客に情報を届けることができる、Web広告ではリーチできないターゲット層にアプローチできるなどの特徴があり、現在でも多くの企業が取り入れている宣伝方法です。

マスコミ四媒体広告と呼ばれる新聞・テレビ・ラジオ・雑誌や屋外広告などは、新型コロナ感染症拡大の影響を受け業績が大幅に低下しましたが、DMは環境の変化に強い広告媒体であると言えるでしょう。
また、日本の広告費の中で扱われるDM広告費の内訳には、広告を作るうえで発生する制作費やデータマーケティング関連費用が含まれていません。そのため、実際に発生したDM広告費は、統計よりも高い可能性があり、今も多くの企業がDMを利用していることも考えられます。

詳しくは下記の記事をご覧ください。
「日本の広告費」から見るダイレクトメール(DM)費用推移と、正確に理解するための注意点を解説

「DMメディア実態調査」から読み解くコロナ禍前後でのDM市場の動向

コロナ禍前後のDM市場の動向を見ていくと、一週間あたりのDM受取の数は2019年は6.7通であったのに対し、2020年には7.0通、2021年には5.5通となっています。2020年に一旦増加したものの2021年は再び減少しました。

DMを種類別に見ていくとはがきのDMは2019年、2020年、2021年共にほぼ横ばいです。封書はコロナ禍後は減少傾向にあります。一方、コロナ禍から増加したのがその他のDMです。

引用:コロナ禍前後でのダイレクトメール(DM)動向は?DMメディア実態調査を基に解説|フュージョン株式会社

2020年のその他のDMは、前後の年の2倍〜4倍程度にのぼります。その他のDMとは、情報誌・カタログや小包、同梱パンフレット、折込チラシなどです。
本人宛のDM送付元の業種を調べると通信販売メーカーが突出して多いことから、その他は通販の業種がよく行う手法の小包や商品と一緒に同梱するパンフレットや、エリアマーケティングで使用する折込チラシの増加であることが考えられるでしょう。

本人宛のDMの内容に関しては2021年は特売・セール・キャンペーンの案内やクーポンの案内・プレゼントなどが減り、新商品やサービスの案内、商品・サービスの利用明細・請求書などが増加しています。
コロナ禍で外出を控える顧客が増えたことを受け、来店を促すようなDMではなく新商品やサービスの案内をDMで行い、既存顧客の繋ぎ止めを計ったことが推測できます。

コロナ禍前後でのDM動向に関しては下記の記事もご覧ください。
コロナ禍前後でのダイレクトメール(DM)動向は?DMメディア実態調査を基に解説

「DMメディア実態調査」から考察するコロナ禍前後でのDMの受け取り方の変化

コロナ禍前後の本人宛DM受取者数と本人宛DM受取通数を見ていくと、2019年の本人宛DM受取者数は計183人(以下、母数はいずれも200人)でしたが、2020年には計171人に減少しています。また、2021年は計179人と増加に転じています。

引用:コロナ禍前後に見る、ダイレクトメール(DM)の受け取り方の変化|フュージョン株式会社

本人宛DM受取数は2019年は計1,233通でしたが、2020年は計1,937通と1.5倍ほど増加したものの、2021年には計1,282通とコロナ前の水準に戻りました。このデータを見ると、2020年に本人宛DMが増加したのは、コロナ禍で多くの人が巣ごもりし、通販サイトやECを利用する機会が増えたことも関係していると考えられます。

DM受取後の行動は、開封または閲読せずにいた人は2020年受取通数の36.9%、2019年は26.0%でした。2019年は2021年の20.3%より10%以上高くなっています。開封・閲読後に行動したというDMの数には大きな変化はありませんでした。

これらの数字を見ると、受取者はDMを受け取ってすぐに自分にとって必要か不要な情報かの判断を行っていることがわかります。

また、送付者と受取者の間には、情報のニーズと提供のミスマッチがあります。2020年のDMメディア実態調査によると、本人宛DMで希望する情報内容でもっとも多いのがクーポンの案内・プレゼントで53.5%、特売・セール・キャンペーンの案内は46.0%、試供品の案内・プレゼント44.0%などです。

しかし、実際に受け取ったDMは新商品・サービスの案内、商品・サービスの紹介記事、読み物などが多くニーズとのギャップがあります。効果的なDMを送付するためには、受け取り手を知ることがもっとも重要と言えるでしょう。

詳しくは下記の記事もご覧ください。
コロナ禍前後に見る、ダイレクトメール(DM)の受け取り方の変化

近年のDM市場の動向・トレンド解説についてまとめ

コロナ禍を含む近年のDM市場の動向やトレンドについて様々な角度から解説しました。インターネット広告の飛躍的な伸びに注目が集まりますが、DMは環境の変化に強く、顧客にダイレクトに情報を提供できるメディアとして今後も多くの企業が利用すると言えます。

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