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CRM分析とは?3つの分析軸と代表的な8つの分析手法

作成者: Admin|May 27, 2024 1:02:59 AM

顧客との良好な関係を構築し維持することは、安定して売上を拡大するためには欠かせない要素のひとつです。CRM分析は顧客との関係をデータで分析し論理的に施策を導き出せることから、CRMに取り組むうえで取り入れている企業も多いのではないでしょうか。
一方でCRMシステム上にデータを蓄積しているものの、分析軸が定まらないなどの理由でうまく活用できていなければ意味がありません。
そこで本記事では、CRM分析における3つの軸と代表的な8つの分析手法を分かりやすく解説します。

CRM分析とは

CRMは「Customer Relationship Management」の略称で、日本語では「顧客関係マネジメント」と訳され、顧客と良好な関係性を維持するためのマーケティング手法を指します。

またCRM分析とは、CRMシステムに蓄積したデータを用いて分析する手法のことです。顧客の購買情報や商品の購買情報など、日々蓄積されるデータをさまざまな軸で分析し、効果的な顧客コミュニケーション施策を検討するために用いられます。

CRM分析の重要性

売上や利益を拡大させるためには、顧客と良好な関係を維持し1人あたりのLTVを高めることが重要です。LTVとは顧客生涯価値のことで、ある顧客が自社に対して生涯にわたりもたらす価値(利益)のことを指します。

それぞれの顧客に自社の商品を継続的かつ長期的に利用してもらうためには、顧客にとって快適なコミュニケーション施策を実施し続けることが必要です。CRM分析は、顧客が何を求めているかデータを用いて可視化することが可能なため、適切なタイミングで計画的なCRM施策を実現するのに役立ちます。そうすることで、顧客ロイヤルティを高め利益を拡大することができます。
一方で、CRM分析を用いない場合はデータの裏付けがない状態、もしくは顧客行動を考慮しない商品軸のみのデータを用いて施策を行うことになり、顧客のニーズに寄り添った施策の策定が難しくなるでしょう。

フュージョンでは顧客データ分析は実施しているものの、結果の良し悪しの判断がつかなかったり、何から手をつけて良いかがわからなかったりといった課題を持つ企業様向けに「CRM ANALYZER」というサービスをご用意しています。

CRM ANALYZERは、CRM課題を発見するための基礎分析レポートサービスです。詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

CRM分析の3つの軸と8つの代表的な分析手法

CRM分析には、大きく分けて以下3つの分析軸があります。

  •  売上構造分析
  • 顧客分析
  • 購買分析

本章では、3つの分析軸と代表的な8つの分析手法について紹介します。
また、フュージョン株式会社が提供している顧客基礎分析レポートサービス「CRM ANALYZER」の基本サービスに含まれている分析軸では、レポート例を交えて詳しく解説しています。その他の分析手法についても対応可能ですので、あわせてご紹介します。

 

CRM分析軸1. 売上構造分析

売上構造分析とは、売上の構成要素を把握する分析方法です。
売上実績を「購入件数×購入金額」の方程式にて分解し、売上が増減する要因を分析します。売上を多角的視点で分析することで、優先的に戦略を練るポイントを見つけることが可能です。
年代ごとの前年比の分析をしたり、新規顧客と既存顧客の購入金額を比較したりできます。また分析結果に基づいて、年代やチャネル、地域、性別などに合わせた施策ができるといったメリットがあります。

フュージョンのCRM ANALYZERでは、例えば上記のような売上構成分析サマリーレポートが作成可能です。この例では、チャネル別での実績を多角的な分析軸で掘り下げたうえで、そこから導き出される要点を整理しています。
基本的な指標を理解したい方は、まずは売上構造分析を行うとよいでしょう。

【関連コラム】
商品を通して顧客を知る~Excelでできる売上分析

 

CRM分析軸2. 顧客分析

顧客分析とは、自社の顧客状況を把握する分析方法です。顧客を細かく分類し、構造把握や推移の確認が可能です。
顧客分析によって、購買動向の把握や優良顧客の維持率、顧客の嗜好などの分析ができます。

具体例としてフュージョンのCRM ANALYZERの顧客分析レポート例を見てみましょう。上記のように、新規購入者の継続率や離反率を年度ごとに整理することで、どの顧客への対策が必要かを可視化できます。

デシル分析

デシル分析とは既存顧客を購入金額が高い順に並べ、10段階に切り分けて分析する手法です。
1段階ずつの購入金額を計算し、全体の何%を占めているかを求めます。それぞれのランクの割合を求めることで、売上の構造が把握でき個別の売上指標などを決めやすくなります。

例えば上表のように「購入金額の上位30%の顧客が売上の60%を構成している」などがわかることで優良顧客を分類しやすくなり、顧客単価を上げるための施策を打ち出すヒントなどに活用できます。

RFM分析

RFM分析とは、以下3つの視点で顧客分析をする手法です。

  • Recency = 最終購入日
  • Frequency = 購買回数
  • Monetary = 購入金額

デシル分析では購入金額のみで分析を行っていますが、RFM分析では購入頻度と最終購入日を加えているため、より細分化した分析が可能です。
また最終購入日が近く、購買回数と購入頻度が高い顧客が優良顧客に位置づけられます。

例としてRFM分析レポートを見ていくと、R-F-Mそれぞれの数値が高ければ高いほど、ランクが高く、優良顧客であることがわかります。
このようにRFM分析は、最終来店日や購入頻度も優良顧客を判定する要素となるため、小売店などの直近購入日やリピート率を重視する業種で有用です。

デシル分析やRFM分析は、Excelでも簡単に取り組むことができます。詳細な分析方法は下記の記事をご参照ください。

【参考コラム】
【デシル分析・RFM分析】 Excelでできる顧客分析入門

LTV分析

LTV分析とは、LTV(Life Time Value)を指標として分析する手法です。
LTVとは初回購入から最終購入までに得られる利益のことを指し、日本語では顧客生涯価値といわれます。購入回数が多いリピーターであればあるほどLTVが高いため、優先的にアプローチするべきといえるでしょう。

LTV分析を用いると、LTVが高い顧客が流入したルートなどを追跡することも可能です。またLTVが高い顧客は顧客ロイヤルティも高いため、リピーターの購入分析をすることでファン層を増やしニーズを高めたアプローチができるでしょう。
LTVの計算方法については下記の記事で解説しています。

【参考コラム】
【簡易計算シート付】LTVとは?重視される背景やCRMとの関係、計算方法を解説

CPM分析

CPM分析は、RFM分析を応用した分析方法です。
RFM分析で使用した視点と顧客の在籍期間を分析し、10グループに分けグループごとのアプローチ方法を検討します。
RFM分析ではすぐに購入する優良顧客を見つけだせますが、離脱顧客などの細かい顧客層分析には適していません。一方でCPM分析では、離脱顧客や安定的なリピート顧客など細かい顧客層の分析ができます。
継続的な収益を求めるには、優良顧客のみでなく離脱した顧客をリピート顧客にするためのアプローチも必要です。CPM分析では、細分化した顧客グループに合わせたアプローチ方法を検討できるため、長期的な収益を獲得したい場合に最適です。

セグメンテーション分析

セグメンテーション分析とは、顧客全体を属性などで分類し分析する手法のことです。
分析条件は自社に合わせた内容にしていきますが、一般的には地域や性別、年代などの顧客属性に分け顧客数や購入数や購入金額、購入頻度などを確認していきます。
セグメンテーション分析をすると、自社のサービスや商品がどの属性に好まれているのかが把握できます。

行動トレンド分析

行動トレンド分析とは、時間帯や季節、曜日などに着目して顧客の行動パターンを分析する手法です。行動トレンド分析を実施すると以下のような内容が把握できます。

  • 対象商品やサービスが、どの季節や曜日に売れるのか
  • ECサイトの訪問者数が多い曜日や時間帯はいつなのか

行動トレンド分析を応用すると「20代の東京に住む男性は金曜日の19時〜20時の間に購入しやすい」など具体的な顧客の特徴やタイミングが分かります。そのため、顧客に合わせた戦略をたてられるといったメリットがあります。

コホート分析

コホート分析とは、顧客を一定の条件でグループ分けをして、どのような行動をするのか時間をかけて分析する手法です。
たとえば特定の時期にアプリケーションをダウンロードした顧客が、次に使用する時期がいつごろか、離脱するタイミングはいつごろかなどを把握できます。

顧客の行動が分析できれば、顧客が求めるCX(顧客体験)が提供しやすくなり、リピーター率が増え収益を拡大しやすくなるでしょう。

CRM分析軸3. 購買分析(商品分析)

購買分析(商品分析)とは、商品やカテゴリ別の売上を把握するための分析方法です。
購買分析をすることで、自社商品の中で売れ筋の商品やカテゴリ、購入間隔などが把握できます。

フュージョンのCRM ANALYZERでは、購買分析を行い、サマリーレポートを提供しています。カテゴリや商品ごとの貢献度が一目で把握できるため、販促活動に役立つでしょう。

CTB分析

CTB分析とは、以下3つの視点で顧客分析をする手法です。

  • Category = 商品やサービスを分類
  • Taste = サイズや色、デザインなどを分類
  • Brand = ブランドやメーカー、キャラクターで分類

3つの視点で顧客をグループ分けして、今後の購買分析などに活用できます。
CTB分析をすることで顧客の嗜好が明確になり、今後の商品開発や品質の改善、プロモーションなどに役立てることが可能です。


フュージョンではCRM分析に精通したアナリストが、3つの分析軸で課題の特定と施策提案を行います。分析の型が決まっておらず実施できないで悩んでいる場合は、ぜひフュージョンにお問い合わせください。

今回ご紹介したCRM分析手法だけでなく、CRM領域のマーケティングで使える分析手法については以下の別記事で解説しています。ご興味のある方はあわせてご一読ください。

【参考コラム】
CRM領域で使えるマーケティング分析のフレームワークや代表的な手法を紹介
顧客への提供価値をデザインするフレームワーク「バリュー・プロポジション・キャンバス」の使い方

 

CRM分析ならフュージョン株式会社にお任せください

CRM分析を活用すれば顧客との関係構築はもちろんのこと、リピーターや離脱顧客の掘り起こしをして最適なアプローチができます。
CRM分析は現状を把握するために重要ですが、どのような分析が自社にとって必要なのか分からない方もいるでしょう。

フュージョンの顧客基礎分析レポートサービス「CRM ANALYZER」では、基本的な指標を抑え現状を正確に把握できます。経験豊富なアナリストによって、業界の傾向なども踏まえた上でデータ分析が可能です。

CRMにおけるデータ分析でお悩みのある方は、お気軽にお問い合わせください。