BtoBマーケティングでのリードは、「会社の製品やサービス、ソリューションに対して何らかの形で興味・関心を示す人物」という意味で使われています。本来のリードの意味を辞書で調べると、動詞では「案内する」「導く」と記載されており、名詞の場合は「糸口」「手がかり」という意味で使用されています。
このことから、リードは「顧客化への糸口、手がかり」と考えるのが本来のニュアンスに近くなります。
リード獲得とは、端的には自社の商品やサービスの見込み顧客を獲得することですが、
「リードがうまく獲得できない」
「リードからのコンバージョンが悪い」
など、BtoBマーケターにとってリードに対しての悩みは尽きません。
このコラムでは、BtoBマーケティングでリードに求めることや、リード獲得・育成施策に必要なアクションについて解説します。
なお、BtoBマーケティングの基本については、別記事「BtoBマーケティングとは?重視されるようになった背景や特徴、取り組み方のコツを解説」にてご紹介していますので、あわせてご一読ください。
BtoBマーケティングでリードに求めていることとは?
リードを獲得することは、企業にとって売上を確保するための重要な活動の一つであることは間違いありません。その上で、企業はリードに対し実際には具体的に何を求めているのでしょうか?
アメリカのContent Marketing Instituteが実施した調査からの引用になりますが、調査内で「新規獲得施策で最も大切な指標は?」との設問に対し、複数回答でのトップ5は下記のようになっています。最も重視されているのは、「セールスリードの質」です。
(出典:Content Marketing Institute 「B2B CONTENT MARKETING 2016 Benchmarks, Budgets,and Trends--North America」 P23より、フュージョン株式会社作成)
その回答に対し、「一番重要なのは?」と回答を一つに絞ってもらうと、「セールスリードの質」「セールス数」の2つに回答が集中しました。セールスリード=「商談に値するリード」ですから商談に結びつきやすいリードの質と量が求められています。
これは若干古い調査ですが、ここ数年でそれほど大きく状況が変わっているとも思えません。マーケティング担当者は、マーケティング施策において、良質かつ数多くのセールスリードにつながるリード(マーケティングリード)を獲得する、という課題に対し日々知恵を絞らなければいけない状況です。
デマンドジェネレーションにおけるリード獲得と主な手法
デマンドジェネレーションの全体像に示すとおり、リード獲得施策の最初のステップは、リードジェネレーション(Lead Generation)です。
リードジェネレーションは、一般的には「見込み客の生成」、つまり見込み客を生み出す活動であり、最終的なゴールは「会社の製品やサービス、ソリューションに対して何らかの形で興味・関心を示す人物」を可視化すること、言い換えればコンタクト情報を収集することです。
ここでの考え方の重要なポイントは、リードは闇雲に探すものではないということです。なぜなら、あなたが探している場所にリードが潜んでいるかどうかがわからないからです。一番効率よくリードを獲得できる方法とは、自社で探すことなくリード自らが目の前に姿を現せてくれることでしょう。
そのためには、リードを惹きつけられる状態を作り出すことが必要です。リードを惹きつけるためには、そのリードにとって見つけやすそうな場所に有益な情報を置いておく必要があります。リードにとって有益な情報があれば、その情報に興味・関心を持つリードは自ら近寄ってきてくれます。
それでは、リードを惹きつけるための手法にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここで、コロナ禍を前後における、リード獲得の手法例を挙げてみます。すでに取り組んだことがある、あるいは実施中の施策もあるのではないでしょうか。
(コロナ禍以前のリード獲得の代表的な手法例)
- イベント
- 会場でのセミナー開催
- 外部の展示会出展による名刺獲得
- 特定の部署へのDMやFAX送付
以前は、これらの取り組みからレスポンスを得ることがリード獲得施策の中心でした。また、新規や既存顧客への営業活動での名刺獲得も大きな役割を占めていました。
しかしながら、コロナ禍においては、これらの活動が延期や中止になった影響でリードの獲得が難しくなり、非対面の活動からのリードの獲得が急務となりました。
そのため、従来の施策に加え、普段の情報収集の中で自社の商品やサービスを見つけてくれるように仕掛け、「もっと知りたい、この情報が欲しい!」と思ってもらい、詳しい情報の入手と引き換えに自分のコンタクト情報を登録してもらう仕組みと施策が必要になりました。
その結果、前述した手法に加え、下記のような取り組みも行われるようになりました。
(コロナ禍以降に増えたリード獲得手法例)
- 自社サイトでのコンテンツ発信
- SNSの活用
- オンラインセミナー・ウェビナー
ご紹介したリード獲得手法は、いずれも闇雲に実施しても効果は出づらいため、目的に応じて実施要否や実施する施策の組み合わせを検討し、適切なリソース配分で行うことが必要です。
なお、従来に比べてリードの獲得ルートが複雑化したことで、そのルートの把握が今まで以上に重要になりました。MAツールなどを用いたリードの行動記録をもとに、リードはどこから来たのかを分析することにより、
「一番多くのリードが獲得できるのはどのソース?」
「一番コスト効率がいいのはそのソース?」
「一番セールスリードの質がいいソースは?」
など、リード獲得時から商談・クロージングまで追跡することで、効果的なリード獲得ルートを明らかにできます。リードの獲得ルートに関する情報は、リードとの良質な関係維持に必要なコミュニケーションシナリオの設計で使う重要な情報です。
リード獲得後の関係維持に必要なコミュニケーション設計
リードのコンタクト情報を獲得すると、リードに対しての働きかけは次のステージであるリードナーチャリングに入ります。
コンタクト情報登録時に、「どのような情報を必要として登録したのか」や、「興味がある情報」や「今後必要な情報」を聞いておけば、その後の情報提供はそれほど難しいことではありません。
一方で、この時点のリードは可視化されてはいるものの、それほど自社と強い関係を持っているとは言えません。今回の情報は、自分の業務に対しての情報ソースの一つ、たまたま目についた情報に興味があったから程度かもしれないからです。
このステージでは、リードと企業との結びつきを強くするために、企業からの定期的なニュースレターやDM等によるアウトバウンド施策で情報提供を実施します。定期的にリードにとっての有益な情報や新しい情報を提供し続けることでリードとの関係を良好に保ち、リードが課題を持ち何らかの解決方法が必要となった時に、真っ先に想起してもらえる関係にしておくことで次のステージに進みやすくなります。
良好な関係を長く維持するために重要なのは、施策がリードに対しできるだけストレスを与えないようにするという点です。
ニュースレターを例にとると
- 送られてくる回数が多い
- 案内された情報が自分には必要ない
- 送られてきた情報が薄い
- 読みづらい、内容が理解しにくい
等がリードにストレスを与えやすいと言われています。
せっかく獲得したリードですが、反応が薄くなるのはもちろん、離反してしまうことのないように施策を実施することが重要です。そのためには、顧客視点でのカスタマージャーニーマップの作成を行い、リードとのコミュニケーションシナリオを設計したうえで、個々のマーケティング施策を実行することが大切です。
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BtoBマーケティングでのリード獲得手法の例や、獲得したリードを育成するときに必要なアクションについて解説しましたが、いかがでしたか。
最近では、対面でのインバウンド施策を中心にするだけでなく、同時にEメールやDMなどによるアウトバウンド施策にも取り組む企業が増えています。
リードを探し育成することだけに躍起になるのではなく、見込み顧客が感じている課題や意思を踏まえた施策の実施が、結果的にリードの質を高めコンバージョンにつながります。
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