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    ダイレクトメールの効果を高める!リバースエンジニアリングでの改善方法

    公開日:2025-03-17

    ダイレクトメールの効果を高める!リバースエンジニアリングでの改善方法
    ダイレクトメール(DM)施策が思うような成果につながっていない場合は、実施しているDMを見直し、改善する必要があります。DMのレスポンス率を上げるためには、クリエイティブだけでなく、タイミングやオファー、ターゲットの見直しも大切です。

    この記事では、実施しているDMを改善する際に有効な「リバースエンジニアリング」について詳しく解説します。効果的なDM作成の基本的な解説は、下記の記事をご一読ください。

    【参考コラム】
    ダイレクトメール(DM)とは?基本の構成要素や効果的なDM作成のコツを解説

    リバースエンジニアリングとは

    リバースエンジニアリングは、もともと工学やIT業界で使われる用語で、機械製品の分解やソフトウェアの解析を行い、その構造や仕様を明らかにすることを指します。

    この手法をDMに取り入れ、改善点を分析する方法がDMのリバースエンジニアリングです。

    自社や競合のDMをリバースエンジニアリングの考え方に基づいて分解することで、自社施策の課題や改善点を洗い出せます。

    リバースエンジニアリングの効果

    DMのリバースエンジニアリングには、以下のような効果があります。

    • DMの作り手の視点で戦略レベルまでさかのぼることで、「実践⇔論理」の読み替えが可能
    • 1通のDMについて、コンセプトメイキング(戦略立案)、ベネフィット設定、オファー設定、顧客セグメント、コピーライティング、クリエイティブなど、さまざまな観点で改善ポイントを洗い出せる

    自社でDMを実施しているマーケティング担当者の方がリバースエンジニアリングに取り組むことで、現状のDMの具体的な改善点を見出すことができます。

    DM改善向けリバースエンジニアリング10個のポイント

    DMの成功は、「戦略」と「戦術」の両方がしっかり設計されているかどうかにかかっています。以下の10の視点からDMを分析し、改善策を見つけていきましょう。
    DMリバースエンジニアリングのポイント

    戦略面(全体設計・ターゲティング)

    1.企業のコンセプトが伝わる内容になっているか?

    DMは単なる広告ではなく、企業のブランドイメージを伝える重要なツールでもあります。自社のコンセプトが明確に伝わる内容になっているかを確認しましょう。例えば、エコ意識の高い企業が送るDMなら、環境に配慮した紙やインクを使用し、そのこだわりを訴求することでブランドイメージを強調できます。

    2.提案する商品は、競合に対してどのように差別化されているか?

    受け手は複数の選択肢を持っているため、競合との差別化ポイントを明確に伝えることが重要です。例えば、A社とB社が同じ「健康食品」を販売している場合、A社のDMでは「国産原料100%使用」や「医師監修レシピ付き」といった独自の強みを明確に打ち出すことで差別化を図れます。

    3.送り手の目的は何か? 受け手に何をして欲しいのか?

    DMを送る目的が明確でないと、受け手がどう行動すればよいのかわかりません。DMのゴールを明確に設定しましょう。例えば、「ブランド認知」なのか、「購入」なのか、「イベント参加」なのかによって、DMのデザインやメッセージが変わります。購入を促したいなら、割引クーポンや限定オファーを強調すべきです。

    4.どんなリストを利用しているか? そして誰に送っているのか?

    リストの質がDMの成果に直結します。ターゲットが適切でなければ、どんなに優れたDMでも効果は期待できません。既存顧客向けなら過去の購入履歴を活用し、関連商品を案内する必要があるでしょう。新規顧客向けならターゲット層に合ったセグメントを選び、ニーズに応じたメッセージを作ることが大切です。

    5.最適なタイミングで送っているか?

    タイミングを誤ると、DMが読まれないまま処分される可能性があります。顧客の購買行動やシーズナリティを考慮しましょう。
    クリスマスプレゼント用の商品なら、11月下旬~12月上旬に送るのがベストといったように、顧客の購入サイクルや特定の季節・イベントを考慮することで、反応率を高められます。

    戦術面(クリエイティブ・オファー)

    6.どんな特典(オファー)が用意されているか?

    受け手に「今すぐ行動したい」と思わせるためには、魅力的なオファーが欠かせません。「今だけ送料無料」や「初回限定20%OFF」など、受け手が行動を起こしやすい特典を付けることが大切です。BtoBなら「無料相談」「ホワイトペーパーDL」などのオファーが有効でしょう。

    7.どのようなベネフィットを提示しているか?

    単なる商品説明ではなく、「受け手にとってのメリット」を強調することで、興味を引きやすくなります。サプリメントであれば「このサプリはビタミンCが豊富です。」という説明ではなく、「毎日1粒で肌のハリがよみがえる! ビタミンCたっぷりのサプリ」など、「この商品を使うことでどんな良いことがあるのか?」を明確にすることが大切です。

    8.体裁はどうか?(コピー・サイズ・色・デザイン・質感・ギミックなど)

    DMのデザインや印刷の質が、開封率や読了率に大きく影響します。ターゲットに合ったデザインを心掛けましょう。高級感を出したいなら厚みのあるマットな紙を使用する、逆にポップな印象を与えたいなら、カラフルなデザインや目を引くイラストを活用する、など工夫することができます。また、「開封率を上げるために封筒に何か仕掛けをする」のも有効です(例:窓付き封筒や、開けると飛び出すギミック)。

    9.どのように受け手を呼び止め、続きを読む気にさせているか?

    DMを手に取った瞬間に興味を引くことができなければ、すぐに捨てられてしまいます。冒頭のキャッチコピーが重要です。DMの冒頭に「〇〇さんへの特別なお知らせです!」と宛名を入れる、もしくは「たった3秒で試せる○○!」のような興味を引くコピーを使うなど、受け取り手になったつもりで再確認しましょう。

    10.後ではなく“今”行動する気にさせているか?

    行動を先延ばしにされないよう、今すぐ申し込み・購入したくなる仕掛けを作りましょう。「〇〇日までの限定キャンペーン!」と期限を設定することで、今すぐ行動を促したり、QRコードをつけて「今すぐスマホでチェック!」と行動をシンプルにするのも効果的です。

    【具体例】DMリバースエンジニアリングを活用した改善点洗い出し

    例として、下記のDMをリバースエンジニアリングの視点で読み解いてみましょう。
    DM例_自動車学校のご案内
    このDMは高校3年生の女性宛に1月に送付されたものです。
    リバースエンジニアリングの10個の視点に基づいて分析すると、以下のような良い点・改善点が見えてきます。

    1. 企業戦略...コンセプトや、そのDMを送るに至った理由は何か?

     Good:卒業を控えた高校生に、自動車学校への早期入校予約を促している。
    2月3月は受講者が多く混み合うことから、早期入校を勧めている。

    1. ポジショニング...競合といかに差別化が図られているか?

    Good:免許合格率の高さや事故率の低さ等、指導力の高さを訴求できている。

    1. 目的...読み手に起こしてほしい具体的行動は何か?

    Good:入校予約をしてほしい。(入校にかかる詳細の記載がないことから)問い合わせをしてほしい。

    1. ターゲット...どのようなリストで誰に対して送っているのか?

    Good:自動車学校の近隣地域の高校を卒業する学生へ向けて送っている。

    1. オファー...行動に対する特典やおまけは何か?

    Good:早期予約キャンペーンを実施している。はがき持参でプレゼントがもらえる。
    More:それぞれの特典の内容、「いつまでに行動が必要か」期限がわからない。

    1. ベネフィット...その商品(サービス)により、便利さ・満足感は得られるか?

    Good:時間の自由度が高く便利。同じ教員から学べて、不安が少ない。

    1. クリエイティブ...体裁・デザイン面でどのような工夫が施されているか?

    More:赤は強調の色だが、全体に使用されており、どこに注目すべきかわからない。
    虹色の鳥のイラストと自動車学校との関係はあるのか。
    文章量が多く、内容理解に時間がかかる。

    1. フック...どのコピーやデザインがフックになっているか?

    Good:「自動車学校のご案内」やオファーなどフックとなり得るポイントがある。
    More:まとまったデザインになっていない。自動車学校の写真が小さく、目を惹かない。ターゲットに対して呼びかける要素もない。

    1. アクション...スムーズに行動に移せる工夫はあるか?

    Good:右下部に連絡先の記載があり、問い合わせへの流れがスムーズ。
    早期予約キャンペーンや「2月3月は混む」といった情報で、早く行動させる工夫がされている。

    1. 改善案

    ・「この春卒業の皆様へ」など、ターゲットに対しフックとなる呼びかけをする。
    ・オファー(特典内容、期限)を明確に記載する。
    ・画像を1点にしぼり大きく配置し、自動車学校のイメージを強める。
    ・特徴を文章内に盛り込むのではなく、アイコン化するなど読ませる要素を減らす。
    ・デザインが少々子供っぽいので、色味やフォントを落ち着かせる。

    このように、10個のポイントに沿って良い点・悪い点を明確にしていくと、より具体的な課題が見えてきます。この例では、特にクリエイティブ面での課題が多く、修正が必要なことがわかります。
    既存DMの効果が思うように上がらない場合は、このようにリバースエンジニアリングを実施することが大切です。
    フュージョン株式会社では、DM企画立案に必要なステップを解説したお役立ち資料を公開しています。ぜひ貴社の取り組みにお役立てください。

    DM改善にお困りの方は、フュージョン株式会社へご相談ください

    DMは送付した後に効果検証をきちんと行い、課題を改善していくことで効果を最大化することが大切です。もし施策のKPIを達成できない場合は、リバースエンジニアリングの考え方を参考に既存DMの改善点を見つけ、PDCAを回していくことが大切です。

    フュージョン株式会社が提供するDMフルサービスでは、全体の戦略設定から企画・制作、効果検証までをワンストップでサポートしています。
    DM施策を検討している場合や、すでに実施しているDMの改善にお悩みのマーケティング担当者の方は、ぜひ一度フュージョン株式会社へお問い合わせください。

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