ダイレクトメールは顧客の手元に直接届けられるプロモーション施策のため、目を引くデザインやコピーライティングが最も重要と考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、全日本DM大賞受賞作品など、成功事例として紹介されるDMは単に見た目のデザインが優れているだけではなく、デザインをつくる前段階の戦略が優れているものが多くあります。
このコラムでは、デザイン制作に取り掛かる前段階として、コンセプトから設計を始める手順について解説します。また、効果が出るDMを作成するコツやデザインで注意すべきポイントも詳しく紹介します。なお、ご紹介する内容は、当社が提供する全米広告主協会(ANA)によるマーケティングeラーニング講座DCFM (DMA Certified Fundamental Marketer) の日本語版「ダイレクトメールキャンペーン」を一部抜粋しています。
効果が出るDMを作成するには、デザインを制作する前の準備が大切です。事前準備は大きく5つのステップに分けられます。詳しく見ていきましょう。
最初に行うのは、ブリーフィング(共有会)です。
DMで扱う商品やサービスはどのような課題を解決できるのか、DMを実施する目的やターゲット、顧客への提供価値など、前提条件となる内容を整理します。
目的は大きく2段階で考えます。
CRMは継続することで成果を生むものです。目的を2段階で考えることで、次の施策を検討する際も最終的なゴールをぶらさずに設計することができるでしょう。
ブリーフィングで整理した提供価値を、どのようにクリエイティブで表現するか考えるステップです。
コンセプトは、マーケティングコミュニケーションにおいてテーマの中核であり本質となるものです。提供価値が直感的に伝わるアイデアやモチーフを生み出すことができれば、DMの成功に一歩近づいたといえるでしょう。
コンセプトを考える際には、まず自分自身でサービスを利用することが大切です。
実際の顧客と同じ体験をすることで生まれた疑問やそれに対する回答が、クリエイティブやコンセプトのヒントにつながります。
また、コンセプトは3つ以上の候補を出すのが望ましいでしょう。
候補の中から、戦略性、関連性、説得力、差別化、さらに限られた時間・予算で作成できているか評価し、1つに絞り込みます。さらに、最終的に完成したコンセプトが、1文で表現できるシンプルなものになっているかも確認しましょう。
「クリエイティブ・インサイト」は聞き慣れない言葉かもしれませんが、Webサイトで言うワイヤーフレームのようなもの、と考えるとよいでしょう。
設計したコンセプトに基づいてDMの仕様を決め、各パーツに掲載する内容をまとめたラフを作成します。
DMの基本的な仕様には、主に4つのパターンがあります。
仕様が決まったら、各パーツに掲載する内容をラフでまとめます。
企業が伝えたいことをただ並べるのではなく、受け取り手が読む順番を想定して、コンセプトが伝わるストーリーを組み立てることが大切です。
DMの仕様とストーリーが決まったら、キーとなるコピーを作りましょう。
コピーライティングで伝えるべきポイントは以下の3点です。
期待するアクションは、数字を入れて直接的・具体的に伝えると明確になり、DMのレスポンス率アップにもつながります。
ここまで設定した目的、コンセプト、コピーが活きるデザインを制作します。デザイン制作を進める際のチェックポイントとしては以下の5つが挙げられます。
以上5つのステップは、基本の流れです。
実際には、あらかじめ予算が決まっていたり、スケジュール面から実施できる仕様が限られていたりするケースは少なくありません。その場合は、確定事項をブリーフィングに記載し、それを前提としてコンセプトを設計しましょう。
効果が出るDMを制作するためには、デザインから作り始めるのではなく、顧客とのコミュニケーションを意識した企画・設計が大切です。下記の資料では、企画立案に必要な5つのステップについて詳細に解説しているので、ご参考にしてください。
デザイン制作では、見やすさやわかりやすさだけではなく、以下の点にも注意することでより効果の高いDMが完成します。ここでは、DMの効果を高めるポイントを4つ紹介します。
あいさつ状は、顧客に対してダイレクトメールを送った目的を説明する役割があります。あいさつ状は丁寧な印象を与える効果もあり、顧客個人にダイレクトメールを届けたことが強調されます。
また、あいさつ状では単純な挨拶や自己紹介だけではなく、商品を利用することで得られるベネフィットを「自分ごと」として捉えてもらえるような工夫を取り入れるとよいでしょう。
ブローシャーとは、商材の魅力を訴求するパンフレットの役割を果たすものです。ブローシャーはダイレクトメールの本題部分を担う重要なツールですので、「受け取り手がななめ読みしても、コンセプトがシンプルに伝わるか」を特に心がけて商品紹介を記載しましょう。
また、最後まで飽きずに読めるような工夫も忘れてはいけません。具体的には、グラフや実際のお客様の声を掲載すること、ブローシャーの中身がひと目でわかるようにすること、数字を含む見出しを載せることなどが挙げられます。
レスポンスデバイスとは、ダイレクトメールを受け取った顧客が商品購入などのコンバージョンに利用する手段やツールを指します。例えば、ダイレクトメールへの返信用ハガキの同封や、申し込み用のFAX用紙、Webページ上の入力フォームにアクセスできるQRコードなどです。レスポンスデバイスはダイレクトメールの反応率を測るために重要なツールです。忘れずに同封しましょう。
最後のポイントは、封筒への工夫です。封筒は顧客がダイレクトメールを受け取った際に最初に目にするもののため、この時点で興味を持ってもらえないと開封されない可能性があります。捨てられることなく開封してもらうためには、封筒に顧客を惹きつけるインパクトが必要です。
すぐに取り入れやすい具体例としては、封筒の外側に強烈なメッセージを入れることや、オファーを封筒に記載するという工夫があります。
さらに詳しい内容は以下の記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。
実際にDMをデザインする際に、事前に準備したコンセプトやクリエイティブだけではなく、細かなデザインやコピーライティングにも注意することで、より高い効果が期待できます。特に、ここでは「わかりやすいデザイン」や「コンセプトが伝わるコピー」にするための具体的なポイントを紹介します。
伝えたいことを受け取り手である顧客に正しく伝えるためには、読みやすさを意識したデザインが重要です。具体的には、視線の流れに合わせてコンテンツを組み込んでいくとよいでしょう。
視線の流れは一般的に横書きであれば左上からZ型に移動するとされており、縦書きでは右上から始まるN型と言われています。メインメッセージやコンセプトは読み始めとなる左上もしくは右上に大きく記載するようにしましょう。
次にコピーライティングで注意すべきポイントを見ていきましょう。DMでは顧客が親しみやすさを感じられるような文章を心がけることが大切です。また、手に取った顧客が「私個人に対して伝えている」と感じさせる工夫も盛り込みましょう。
具体例としては、受け取り手のお名前を印字する、実際のお手紙のような書き出しを心がける、年代層に合わせた言葉遣いをするなどが挙げられます。さらに、BtoBの場合はターゲットとなる企業の課題に寄り添った問いかけなども効果的です。
効果が出るDMはデザインにこだわるだけではなく、コンセプトの整理や目的の設定をきちんと行うことが重要です。
フュージョンでは、CRM戦略に基づいた最適なダイレクトメール施策を提案いたします。さらに、企画だけではなく実際のDM制作から発送代行までをワンストップでサポートするため、DMの内容やサイズ・重量に合わせた最適な発送手段を選択し、費用対効果を高めるお手伝いいたします。
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