先日スタッフがシカゴでデータドリブン系のイベントに参加してきたのですが、
その中で興味深い話がありました。
big data(ビッグデータ)はその名の通り
「膨大なデータ」「沢山のデータ」の事ですが、
それよりもむしろall data(オールデータ)
「全てをデータ化する」「抜け欠けの無い全てのデータ」が重要という話です。
単なるビッグデータを取得する事がビジネスの価値を生むのではなく、
全ての事象やプロセスをデータ化し把握測定出来る事が価値を生む、
とトップ企業は考え始めています。
オールデータ化しようとするアプローチによって結果がビッグデータになるのです。
そこにはスモールなデータでも、重要な意思決定に関わるデータも含まれているし、
膨大なデータでもまったく役立たないままの物もあると思います。
例えば、中小企業にとっての数年分の顧客全員のスモールな購買データと、
大企業の一日分のビッグなWEBログデータ。
価値の重さはデータ量だけではもちろんありません。
価値を生むにはこれでオールデータ!と思える程、
顧客の動向や社内業務プロセスをデータ化するスキルが必要です。
例えば・・・
①顧客行動データ
センサーデータ・ログデータ・認知データ・接客データ
・購買データ・レビュー、シェアデータ等
②業務データ
製造データ・仕入データ・在庫データ・物流データ
・労働データ・エネルギーデータ・エコデータ等
③市場データ
オープン統計データ・市場トレンドデータ
・天気気温データ・相場データ等
これに時間推移軸、コスト利益軸等を掛け算していくと確かに膨大ですね。
すべてがデータ化されていない企業が殆どですので
何からデータ化するか優先順位を決めて取り組んでいくかも重要です。
今までデータ化できなかった事がデータ化出来る事に真の分析の価値があるのかもしれません。
ただそれも目標決定や人間的な経営判断を下支えする一助にすぎない事も理解する必要があり
アメリカで活躍するデータマーケターに必要なスキルの一番が「ビジネス理解」と言われているのもまったくその通りだと感じます。
最後まで読んで下さりましてありがとうございました。
(『ITmedia マーケター通信』 2013年10月24日掲載)