最近は日本中でビッグデータ関連セミナー及びイベント、
関連書籍等様々な形で発信されていますし、活用事例等もちらほら出ていています。
その一方でビッグデータ活用にあたりプライバシーやセキュリティ対策についても
スマートフォンアプリでの個人情報流出同様、課題視される事も多くなってきました。
先行している米国では、世界最大規模のマーケティング組織、
DMA(direct marketing association)が主導となり、
今年ラスベガスで実施された世界大会DMA2012にて、
「the Data-Driven Marketing Institute(データ分析マーケティング機構)」
という新しい組織の立ち上げが発表され、
組織的に活用・プライバシー・セキュリティの
ガイドラインを研究・発信する事になりました。
課題に対しての取組についても発表されています。
①digital privacy
・ベストプラクティスアクションの共有
・オンライン上でトラッキング出来ないアクションの共有
・ソーシャルネット上でのプライバシー防御策の共有
・子供が誤ってプライバシーを流出しないアクションの共有
etc...
②data security
・データセキュリティと消失防止のアクションの共有
・データ保護のアクションの共有
・個人情報のセキュリティに対するアクションの共有
etc...
また、2012年2月に大統領名にて発表された
「消費者プライバシー権利章典」(A Consumer Privacy Bill of Rights)も
大きなインパクトになっていると思います。
(ホワイトハウスのページより引用)
一方日本では、総務省が中心につい最近、
「パーソナルデータの利用・流通に関する研究会」を発足する発表がありました。
発足の背景目的としては下記の通り発表されています。
(以下総務省ページ引用)
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ICTの普及発達は、クラウドサービスなど国境を越えた情報の流通を極めて容易としており、
国際的な調和の取れた、自由な情報の流通とプライバシー保護等の双方を確保する必要性が高まっています。
海外でもEUでデータ保護規則案の提案、米国でプライバシー権利章典の公表がなされるなど活発な議論が行われています。
これらを踏まえ、プライバシー保護等に配慮したパーソナルデータ(個人に関する情報)の
ネットワーク上での利用・流通の促進に向けた方策について検討することを目的として、本研究会を開催します。
主な検討事項
①適切な流通に向けた、パーソナルデータの取扱いについての基本的な考え方
②適切な流通に向けた、パーソナルデータの具体的な取扱いの在り方
③適切な流通に向けた、安心安全なパーソナルデータの取扱いの確保に向けた方策
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消費者にとっての便利サービス・情報の提供、は、それを下支えする行動・購買ビッグデータの分析からの仮説検証に基づいて進化している事で間違いありません。
一方で活用を推進、提案する人間が、正しいリスクとそれに対しての国の方針等を理解せずに進めることも、その活動自体が提案を受ける企業にとってのリスクとなりかねません。
「データ活用推進派!」こそ、目の前のデータに埋もれず溺れず、
「ビッグデータの大海原」をコンパスを持って航海して欲しいですね。
最後まで読んで下さりましてありがとうございました。
(『ITmedia マーケター通信』 2012年11月5日掲載)