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消費税増税とポイントカードショック。

佐々木 卓也
2012-02-12

皆さんも何枚も持っている「ポイントカード」は、

すでに20年ほどの歴史がある事ご存知でしょうか。

私も様々な小売業のポイントカード導入や活用に深く関わってもう10年以上経ちま す。

導入の目的としては、

・会員組織化することでの顔の見える化

・ポイント付与での販促効果

・購買データを活用した関係強化 等・・・

90年代にPOSレジや磁気・ICカード等のテクノロジの進化によって

小売業は続々と導入を進め、いまや導入していない方が少数派、

すっかり「同質化競争」のツールになった感じがします。

未導入企業は何等かの意図・社長のポリシーで実施していないんだ、

と勝手に想像して感心する人がいるくらいです。

アメリカではポイントを貯めるカードと言うよりも、

クラブカードとして会員価格で購入できる権利を持ったカードが主流です。

ヨーロッパでは、ポイントは景品交換が主流です。

ポイントを現金のように利用出来たり、他の流通のポイントに交換出来たりする

日本のポイントカード、ポイント流通の現状は特殊な状況にあります。

そんな中で業界で議論されているのが、「消費税増税」の話題です。

国会では2014年に増税で8%、2015年に10%を審議中です。

ポイントの還元率は各社設定されていますが、

例えば・・・

100円(税込)1ポイントの企業や、210円(税込)1ポイントの企業

仮に消費税が5%が8%にアップした場合、

上記の企業はもしも増税に合わせてポイント歩率を変更しない場合

ポイント経費が増大し損益に大きな影響を与えます。

私が予想する、増税タイミングでの業界の動きとして・・・

・増税を機会に歩率を変更する企業の出現

 今まで210円(税込)1ポイントを、1000円(税抜)3ポイントに変更といった

 税抜表記に変更と同時にポイント経費をさらに圧縮するために

 どさくさに紛れて!?変更してしまう企業が増えると思います。

 (その分「今日は●倍デー」を増やして販促効果を狙うのでしょう)

・増税を機会にポイントカードをやめてしまう企業の出現

 ポイント付与分を価格に還元すると打ち出し

 来店頻度低く、稼働していない会員組織をもった

 中途半端なアパレル業界で多いかもしれません。

・大手ポイント連合に乗り換える企業の出現

 ポイント経費の処理やシステム費用、会員組織の運営、カード発行費用等、

 ポイント経費以外の経費は企業にとって負担となっています。

 増税を機会に、大手のポイント連合に乗り換えて負担を減らし、

 さらには相互送客を狙う企業も増えるかもしれません。

・さらにクレジットカード業界と小売業の関係が変化

 クレジットカード業界は、金利の問題や会員獲得に所得証明が必要、等

 なかなか新規会員が増えない状況が続いています。

 小売業がカード戦略を見直しする機会を得た事で、利益の取れていない

 提携カードについて契約解消、カードの廃止が相次ぐと考えます。

 クレジットカード会社はよりプロパーカード、もしくは

 母数の多い、又は稼働率の高い提携カードに投資を配分し、

 中途半端な当時の「入会金・年会費無料」を掲げた小売業提携カードは

 もっと消えていくでしょう。

身近なポイントカードでも、増税の影響を受ける事を理解し、

小売業は準備を進めなくてはならないタイミングがきています。

Think out!

最後まで読んで頂いてありがとうございます。

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